Azureの最新機能や更新情報を解説

公開日:2024年1月18日最終更新日:

Microsoft Azure(以下、Azure)では、最新機能の追加や既存機能のアップデートが頻繁に行われています。これらの更新情報は公式のリリースノートで確認できますが、最新内容を常に把握するのは難しいでしょう。

本記事では、2023年12月時点でのAzureの最新機能や更新情報を解説しているので、参考にしてみてください。

Azureの最新機能

AzureはMicrosoftの最新のITインフラ、AI、IoTなどのサービスを提供するクラウドプラットフォームです。技術の進歩と共にAzureの機能追加やバージョンアップが繰り返され、利便性やセキュリティ面の向上が図られています。本章では、Azureの更新情報からわかる最新機能や詳細を紹介していきます。

Microsoft 365 Copilot(Microsoft Copilot for Microsoft 365)

Microsoft Copilot(以下、Copilot)はAIを活用して業務効率化を図る仕組みで、Microsoft独自のAIインフラであるAzure OpenAIが基盤となっています。Microsoftは、ChatGPTの開発元であるOpenAIと強い協力関係にあり、そこから技術提供を受けながらAzure OpenAIの提供を開始しました。

Azure OpenAIは、本家の強力なAI能力に加えて、Microsoftの持つ巨大なインフラや強力なセキュリティを兼ね備えたサービスです。Copilotは、このようなバックグラウンドの元、様々なMicrosoftサービスと連携することで真価を発揮します。

Microsoft Copilot for Microsoft 365(以下、Microsoft 365 Copilot)は、Microsoft 365とCopilotを連携する仕組みで、Word、Excel、Outlook、Teamsなどのアプリケーションから対話形式でCopilotの能力を利用できます。例えば、Wordで文章作成を指示したり、Outlookで返信メールの作成を依頼したりできます。これらの機能は、Azure OpenAIのバックグラウンドにある大規模言語モデルが導き出す回答によって実現しています。

なおCopilotは、2023年12月にはGPT-4 Turbo with Visionと呼ばれる大規模マルチモーダルモデルに対応し、文章による対話だけでなく画像を組み合わせた入力が可能になりました。また、2024年には最新の大規模言語モデルGPT-4 Turboに対応する予定です。今後もOpenAI側の技術向上に伴い、Azure OpenAIにも最新機能が反映されていくでしょう。

Microsoft Entra IDは、Microsoftサービスへの横断的なアクセスを可能にし、ユーザの利便性を上げる仕組みです。また、Microsoftのクラウドサービス、PaaS、オンプレミス環境にシームレスかつセキュアにアクセスできる管理サービスです。生体認証やデバイス認証によるシングルサインオンを実現し、パスワードレスで利用できます。このようなアカウント管理を組織内で統括でき、従業員やパートナー企業の権限を細かく指定できます。

なお、2023年8月以前はAzure AD(Azure Active Directory)の名称で提供されていましたが、現在はMicrosoft Entra IDに変更されています。

  • Azure AD Free → Microsoft Entra ID Free
  • Azure AD Premium P1 → Microsoft Entra ID P1
  • Azure AD Premium P2 → Microsoft Entra ID P2
  • Azure AD External identities → Microsoft Entra External ID

元々、Azure ADはクラウドやオンプレミスなど様々なサービスへのアクセスを想定したマルチクラウドIDソリューションでしたが、オンプレミスのアクセス管理サービスであるActive Directoryと混同しやすいため、名称変更にいたりました。ただし、名称が変わるだけで既存の機能、ライセンス、価格などは変わりません。

Azure上でのIaC

IaC(Infrastructure as Code)は、アプリケーションやサーバなどのインフラ構築を自動化する仕組みです。従来の手動による設定作業ではヒューマンエラーによる設定ミスが生じやすく、さらにマニュアルや引き継ぎの不備によってもそれは起こりえるでしょう。そのためIaCでは、インフラ構築時の設定内容やプロセスのコード化することで、本番環境の移設、メンバー間で検証環境の共有、障害時のリカバリを容易にしています。IaCで定義されるコードは、コンピュータが認識できる仕様書にもなっています。

Azure上でも、ARM(Azure Resource Manager)と呼ばれる管理サービスを通してIaCを実現しています。ARMでは、Azureの仮想マシン、ストレージ、ネットワーク、データベースなどのリソース操作ができ、定義ファイルであるARMテンプレートによってリソース構成の記述が可能です。ARMはYAML、JSON、XMLなどの形式に対応していますが、Azure独自の形式であるため他のクラウドプラットフォームには対応していません。そのため、Azureだけで完結する場合はARMを活用すると良いでしょう。

その他の更新情報

Azureに関わるその他の更新情報を順番に紹介していきます。

  • Azure Arc対応System Center Virtual Machine Manager
  • Microsoft Test Base for Microsoft 365

System Center Virtual Machine Manager(以下、SCVMM)は、Azureの仮想サーバやオンプレミスのサーバを一括管理できるハイパーバイザの役割を担うサービスです。さらに、Azure Arcに対応することで他のクラウドプラットフォームの仮想サーバを扱えるようになり、Azure上から横断的な管理が可能です。なお、Azure対応SCVMMは2023年11月に提供開始されました。

Microsoft Test Base for Microsoft 365(以下、Test Base)は、Windowsのクライアントやサーバの自動テスト環境を提供するサービスです。Windows Updateによるアプリケーションへの影響を確認するには、既存あるいはプレリリースの更新プログラムの適用を試す必要があります。Test Baseでは更新プログラムの自動テストによる検証が可能で、発生する問題の分析結果が確認できるため原因を容易に把握できます。テスト対象のOSは事前検証できるように先行して提供されており、2023年9月にはWindows 11 バージョン23H2に対応しました。

まとめ

本記事では、2023年12月時点でのAzureの最新機能を解説しました。

Azureの新機能の追加、既存機能の更新はたびたび行われており、最新情報のキャッチアップが重要になります。特に、近年のIT技術の発展に合わせた、AI機能の改良、管理機能の拡充、セキュリティ面の向上が多く見受けられます。Azureを利用中、検討中の方は、公式のリリースノートを随時チェックしておきましょう。

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