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近年のアプリケーションの高度化に伴い、データベースなどのインフラにも高い処理性能が要求されてきています。特にエンタープライズ向けのアプリケーションでは、データを高速かつ安全に処理でき、安定的に運用できることが求められています。また、性能以外にもインフラの管理やセキュリティ、運用コストなども重要な指標になっています。
Azureでは新しいエンタープライズ向けのデータベースとして、高パフォーマンスで信頼性の高いAzure HorizonDBとOracle Database@Azureを提供しています。この記事ではこれらのデータベースサービスの特徴や導入するメリットを解説していきます。
Azure HorizonDB
Azure HorizonDBとは
Azure HorizonDBは、エンタープライズ向けに改善された高性能なクラウドデータベースサービスです。AIアプリケーション向けの性能向上が施されており、ベースにしているオープンソースのPostgreSQLと比べて最大3倍のスループットを発揮します。また、自動スケーリングやセキュリティ機能、他サービスとの柔軟な連携など運用面でも充実したフルマネージドサービスです。
Azure HorizonDBの特徴
最新のデータベースアーキテクチャを採用

Azure HorizonDBのアーキテクチャは、データを処理するためのコンピューティングレイヤとデータを蓄えておくストレージレイヤが完全に分離されており、各レイヤで柔軟なスケーリングを可能にしています。ストレージが独立しているため、読み込み用のレプリカを素早く作成することができます。ワークロードの変更や急なアクセス増加などに迅速に適用でき、ビジネスの変化に対応することができます。
また、Database-as-a-Logと呼ばれるアーキテクチャを採用しており、従来の仕組みよりもさらに高速なトランザクション処理を実現しています。従来のデータベースでボトルネックとなっていたチェックポイントを廃止し、トランザクションログのみでデータの整合性が取れるようになっています。ログの適用をストレージレイヤに任せてコンピューティングレイヤの負担を大幅に軽減することで高いスループットを実現しています。
AIアプリケーション向けの拡張
PostgreSQLは元々AIアプリケーションと親和性の高いデータベースですが、Azure HorizonDBではMicrosoft独自の拡張により、そのメリットがさらに強化されています。Microsoft独自の検索アルゴリズムであるDiskANNにより、高い検索精度を持ちながら短いレイテンシの検索処理を実現可能にしています。また、AIモデル管理機能により、データベース内に直接AIモデルを組み込むことが可能になり、SQLを通じて簡単にAIを操作できるようなっています。
Azure HorizonDBの用途と既存サービスとの違い
Azure HorizonDBはPostgreSQL互換のデータベースですが、Azureには他にもPostgreSQLをベースとしたサービスが存在します。
例えばAzure Database for PostgreSQLは、PostgreSQLのフルマネージドデータベースサービスで、クラウドならではの高い可用性の実現や管理コストの低減が特徴です。高いパフォーマンスを必要としない一般的な要件やクラウド環境への移行において有用なサービスといえます。
また、Azure Cosmos DB for PostgreSQLもフルマネージドのデータベースサービスですが、Citusと呼ばれる拡張機能を用いた分散処理を得意としており、マルチテナントのアプリケーションに向いている仕組みです。
Azure HorizonDBは先述した特徴から、高速で高精度なAIアプリケーションやミッションクリティカルなシステムに適したデータベースサービスといえます。
Azure HorizonDBの利用料金
Azure HorizonDBは従量課金制の料金体系で、使用したコア数やストレージ使用量に応じて次のような料金が発生します。
コンピュート
| vコア数 | 料金 |
|---|---|
| 2 | 65.85円 |
| 4 | 131.70円 |
| 8 | 263.39円 |
| 16 | 526.77円 |
ストレージ
| 料金 | |
|---|---|
| GiB/月 | 48.127円 |
バックアップストレージ
| 料金 | |
|---|---|
| GiB/月 | 19.141円 |
なお、これらの利用料金は2026年6月時点の情報です。その他の料金や詳細、最新の料金についてはAzure公式サイトの価格ページをご参考ください。
Oracle Database@Azure
Oracle Database@Azureとは
Oracle Database@Azureは、クラウド向けOracle DatabaseをAzure内のデータベースとして利用できるサービスです。OracleのデータベースインフラであるOracle Cloud Infrastructure(OCI)がMicrosoftのデータセンター内に物理的に配備されるため、高いパフォーマンスと可用性を実現できます。Azureのインフラサービスとの親和性が高く、Azureのセキュリティ機能や監視機能との円滑な連携が可能です。
Oracle Database@Azureで扱えるインフラの特徴
Oracle Database@Azureでは、Oracleの最新のサービスを利用できます。Oracle独自のハードウェアとソフトウェアで最適化されたOracle Exadataと呼ばれるインフラは、巨大なメモリやストレージと柔軟なスケーリングによりクラウドでも最高のパフォーマンスを発揮します。また、膨大なデータと高速処理が求められるAIのベクトル検索でも卒なくこなすアーキテクチャを備えています。Oracle Databaseが本来得意とする安定的な運用に加えて、需要の高いAI向けの機能が備わりエンタープライズのAIアプリケーションの用途に最適です。
AzureでOracle Databaseを扱うメリット
最大限のパフォーマンスを引き出せる
従来の仕組みでは、Oracle側のOCIとAzure側のサービスをつなぐことでしか両者のクラウドサービスを連携させることができませんでしたが、この物理配置の距離によるボトルネックが解消されることでOCI上のOracle Databaseが最大パフォーマンスを発揮することが可能になりました。なお、既存のOCIやオンプレミスで利用している場合でも、Oracle Zero Downtime Migrationなどの移行ツールにより作業を簡素化しながら迅速な移行が可能です。
インフラ管理の一元化
Oracle Database@Azureは他のAzureサービスと同じようにAzureポータルなどで一元管理できる運用面のメリットがあります。システムに必要なコンピューティング環境やネットワークに加えて、Microsoft Entra IDやAzure Monitorなどの固有サービスとの連携も容易になります。また、請求管理もAzure側で一元化してまとめつつ、Oracleの技術的なサポートも受けることができます。
Oracle Database@Azureの利用料金
Oracle AI Database@Azureの利用料金はOracleのOCI上で扱えるExadata Cloudと同様で、例えばExadata Databaseの場合は次のような料金体系になります。
Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure
| 製品名 | 比較価格 (vCPU/時間)※ | 単価 | 単位 |
|---|---|---|---|
| Exadata Database OCPU – Dedicated Infrastructure | 104.16775円 | 208.3355円 | OCPU/時間 |
| Exadata Database OCPU – Dedicated Infrastructure – BYOL | 25.0015円 | 50.003円 | OCPU/時間 |
Exadata Cloud Infrastructure X11M
| サービス名 | 単価 | 単位 |
|---|---|---|
| Exadata Cloud Infrastructure – データベース・サーバー- X11M | 976.717円 | 1時間あたりの ホスト環境 |
| Exadata Cloud Infrastructure -ストレージ・サーバー- X11M | 849.3225円 | 1時間あたりの ホスト環境 |
Exadata Database Service on Exascale Infrastructure
| 製品名 | 単価 | 単位 |
|---|---|---|
| Oracle Exadata Exascale Database – ECPU | 52.08円 | ECPU/時間 |
| Oracle Exadata Exascale Database –ECPU–BYOL | 12.5085円 | ECPU/時間 |
Exascaleインフラストラクチャ
| 製品名 | 単価 | 単位 |
|---|---|---|
| Oracle Exadata Exascale RDMAコンピュート・インフラストラクチャ | 5.8125円 | ECPU/時間 |
| Oracle Exadata Exascaleスマート・データベース・ストレージ | 30.2715円 | 使用ストレージ容量 (GB/月) |
| Oracle Exadata Exascale追加フラッシュ・キャッシュ | 0.1395円 | 使用量(GB/時) |
| Oracle Exadata Exascale VMファイルシステム・ストレージ | 15.4845円 | 使用ストレージ容量 (GB/月) |
※ vCPU基準での参考価格で、OCPUは2つのvCPUに相当します。
なお、これらの利用料金は2026年7月時点の情報です。その他の料金や詳細、最新の料金についてはOracle公式サイトのOracle Database@Azureの価格ページをご参考ください。
まとめ
高度化してきたAIアプリケーションに対応すべく、AzureではAI用途に適したデータベースサービス「Azure HorizonDB」と「Oracle Database@Azure」がリリースされました。
Azure HorizonDBは、PostgreSQLをMicrosoft独自のアーキテクチャにより進化させた高性能なデータベースサービスで、高い保守性や冗長性が求められる要件に適しています。Oracle Database@Azureは、エンタープライズ向けのOracle AI Databaseを低遅延でAzureサービスと連携できるクラウドデータベースサービスで、本来の高パフォーマンスを遺憾なく発揮します。
いずれもエンタープライズ向けの要件に適しており、Azureサービスとの親和性が高いことが大きなメリットといえます。


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