クラウドとレンタルサーバー、よく似たサービスだけどどこが違う?

公開日:2021年5月11日最終更新日: 2023年5月23日

よく似たサービスである、クラウドサービスとレンタルサーバー(ホステイング)の違いについて解説します。
また、両方のサービスで利用されている、物理的なサーバーがどのような役割を果たしているかも説明しております。

説明の前に、サーバーのもつ意味は?

クラウドとサーバーの違いを説明する前に、物理的なサーバーについて説明します。
クラウドの機能自体はハードウェア機器である「サーバー」上で運用されています。

一般的に言われているサーバーはレンタルサーバーと呼ばれる、WEBサイトを公開したり、メールの送受信ができるサービスを意味しますが、これらも同じサーバー機器上で運用されています。

サーバーの主な役割

WEBサーバー ネットワーク上にあるサーバーにはWEBサイトのデータ(HTMLやPHPなど)が入っています。クライアント(パソコンやスマホ)からリクエストされたWEBサイトのページ情報をレスポンスします。
メールサーバー メールの送受信を行うサーバーです。 送信時は宛先のメールアドレスの存在を確認してから送信を開始します。受信したメールはサーバーに保管され、ユーザーが問い合わせするとダウンロードできます。
データベースサーバー MySQL、Oracle、postgresql など、データベースの管理システムが動作するサーバーです。
DNSサーバー ドメイン名※1とIPアドレス※2を仲介させるサーバーです。

※1:ネットワーク上の住所を人間が判別しやすいよう、半角英数字を「.」で区切って構成された文字列です(例:zead.co.jp)。

※2:「192.168.0.1」のように数字で表記された、ネットワーク上にあるコンピュータ向けの住所です。

「クラウド」と「サーバー」は共にサービスの名称を指してますが、どちらもレンタルして使用する形態は共通しています。それぞれの特徴や機能の違いを解説します。

レンタルサーバーの種類

レンタルサーバーのサービス形態には種類があり、一般的なものを紹介します。

共有サーバー

レンタルサーバーで最も利用されているのが「共有サーバー」です。
共有サーバーは1台のハードウェア(サーバー機器)を複数のユーザーで利用します。OSやデータベースの種類、利用できるプログラム(PHPやCGI)やバージョンは提供する会社により限定されています。

低価格で気軽に利用できますが、サーバーを共有しているユーザーの影響を受けてしまいます。

VPS

Virtual Private Server の略で、日本語で「仮想専用サーバー」を意味します。 共有サーバーと同様に1台のサーバー機器を複数人で利用しますが、大きく違う点は物理サーバー上に複数の仮想サーバー領域を設けます。仮想領域のユーザーには専用サーバーのごとく権限を与え、OSや利用するソフトウェアが選択できる仕組みです。
また、同じマシン内の利用者同士の影響を受けにくくなっています。

低価格でオリジナルの環境を構築できますが、知識が必要です。

専有サーバー

1台のサーバー機器本体を専有利用するので他ユーザーの影響を受けず、OSやアプリケーションの選択・カスタマイズが可能で、自由度が高くなります。反面、自社でインストールから設定、日々の監視やメンテナンス、セキュリティ対策までを行わないといけなく、高い知識と技術力が必要です。月々の機器のレンタル料や人件費も発生します。

構築してからの変更が難しいため、事前に仕様を決めておかなければなりません。

クラウドについて

最大の特徴は、マシンのリソース(メモリやCPU※3など)を必要に応じて増減できる点です。
クラウドはVPSと同じ仮想サーバー化の技術が使われていますが、VPSが仮想サーバーを1台だけ契約するのに対し、クラウドは1契約で必要に応じて複数台利用できます。

WEBサイトの来訪者が急増した場合は、処理する仮想サーバーの台数を増やしてパフォーマンスを上げ、サーバーの遅延やダウンを防ぎます(処理台数を増やすとコストは発生します)。来訪者が減ると自動でスケールアウトするので、無駄なコストも発生しません。

料金はレンタルサーバーの固定制ではなく、利用したリソース分を支払う重量課金制です。

WEBサイトやシステムの規模が拡大しても拡張・増強も可能で、システムの成長に合わせられるので無駄が発生しません。ただし、環境の構築や設定にはある程度の技術が必要です。

※3:CPU (Central Processing Unit) は、パソコンやサーバーの中心になる処理装置です。ハードウェアとソフトウェアからの命令を実行します。

クラウドの機能の特徴

クラウドが特に優れている点は、豊富な種類のOSやミドルウェアが準備されているので選択範囲が広いのと、高い技術力がなくてもある程度の自由なカスタマイズが実現します。

クラウドの構造は3層に別れており、それぞれのエリアで選択が可能です。

IaaS サーバー、メモリ、CPUなどのコンピュータ機器、ネットワークの提供です。
PaaS OS(UNIX / Windows)やミドルウェアを稼働させる環境です。
SaaS パッケージ製品として提供されていたソフトウェアをクラウドで提供するサービスです。ブラウザや管理ツールなどからサービスへとアクセスし、ログインするだけでソフトウェアを操作できます。

PaaSには多数のフレームワークが用意されています。1からサーバーを構築する費用や技術がなくても、IoTやAI(人工知能)の開発の環境が作れ、手間やコスト削減ができます。
システムの規模に合わせた拡張やシステムの複製も容易です。システムの成長合わせて拡大できるので、無駄が発生しません。

まとめ

サーバーは毎月固定額で運用したい方や、システムやWEBサイトへの急なアクセスの増加が想定されない場合に向いています。

クラウドは多人数が利用するシステムや大規模なや一時的にアクセスが急増するWEBサイト・サービスに最適です。自身での構築は必要ですが、OSやミドルウェア、ソフトウェアも予め多数用意されていて、SEやプログラマーの方でも比較的容易に開発環境を作ることができるのが魅力です。

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